MAL
漆器、和紙、木工、眼鏡まで、古くから生活に寄り添うものづくりが息づくまち、鯖江市河和田。ここでMALははじまりました。
昭和初期、鯖江ではサンプラチナを使った眼鏡が盛んに作られ、まちを支えてきました。サンプラチナは1930年に加藤信太郎によって開発された、ニッケル等を含む白金色合金で、身体との高い親和性をもち、歯科素材や眼鏡フレームに用いられました。昭和天皇もサンプラチナの眼鏡を永く愛用されたことでも知られ、高級素材の柔らかな光沢は戦後も広く人々に愛されました。サンプラチナの特徴は、経年による変色が少なく、優れた耐食性で表面にメッキ処理を施さずとも金属の無垢な輝きが続くこと、また加工のしやすさと高い強度が眼鏡フレームには最適な素材です。そんな「眼鏡のまち鯖江」をつくったサンプラチナでしたが、1980年代に登場したチタンフレームに主役の座を譲ることになります。
往時を照らしたサンプラチナの眼鏡を復刻し、未来に伝えたい。時代に合わせて自分たちもやわらかく変わっていきたい。この想いから生まれたのがMALです。私たちが大切にするのは、作り手の温度が感じられること。少量生産・省エネルギーの小さなものづくりで、この地の空気と色を含みながら、過去から未来につづいていく。そんな工藝のようなプロダクトを目指しています。